待ち時間

始めてのお客さまとお会いする前は、少し早めに家を出てどこかでコーヒーを飲んで落ち着かせてから出発します。特にやることはないので、その何もない空白の時間は、大概周囲の人の観察や、何やら過去のことを思い出したり、適当に過ごすわけです。

最近思い出したことと言えば、私が以前いたスタイリスト事務所のセレブなお客さまのこと。もうセレブ感が半端ないわけで。だんなさまは海外の方。日本と海外(どこかは思い出せない・・)を行き来して生活されてて、生活の中心は海外で。お手伝いさんがいて、家事は全てお手伝いさん。トライアスロンを趣味にされていて、引き締まった身体は美しい。お顔も美しい。頭も切れる。

そして、それが自然で嫌味がない。堂々としていて、でも素直。当時２８歳(？)だった私の言葉にも真剣に耳を傾けてくれてびっくりした。

どうしても、その方の境遇や持ち物などに目がいってしまいがちですが、立ち振舞いや謙虚さ、堂々たる姿勢など、そのバランス感覚がすばらしい。

これがセレブなのかと、カルチャーショックを受けたのを覚えています。

パーソナルスタイリストという仕事をしていると、いったいどんなお客さまが多いのですか？とよく質問されますが、本当にいろんな方がいらっしゃるので、一言では言えません。

ただ私は、本当に洋服で困っている方に発信していきたいと思っています。私自身がそうだったので・・無理にお金をかけるわけでもなく、背伸びしすぎるわけでもなく、その人に今できるおしゃれを。普通だけどちょっと素敵とか、大勢じゃないけど家族に褒められたとか、ほんのささやかなおしゃれを楽しんでもらえたらと思います。

パーソナルスタイリスト「スタイルクラブ」
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